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2006年1月30日 (月)

東横インの問題

Sさんからのコメント

新潟在住のSさんからコメントを頂きました。
東横インの問題について、冷静に分析されています。

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こんにちは。はじめてコメントさせていただきます。

東横インの事件、確かバリアフリールームの稼働率が
低いことが理由にあげられていたと思います。

全国の宿泊施設の中には、ユニバーサルルームと称して
様々な不自由に対応していたり、また、雰囲気を損なう
ことなく必要なお客様にだけ必要な機能が備わるような
工夫をしているところもあります。

そこで思ったのが、バリアフリー整備基準があることに
よって、
それが「専用」の「特別」の部屋をつくり出してはいないか、
事業者の創意工夫を妨げるようなことにはなっていない
だろうか、ということです。

もっとも、心ある事業者の中には、「不本意ながらも」
整備基準を淡々と満たした上で、そのほかのところで
創意工夫しているところもあります。

結局は、どのような心持ちでお客様をお迎えしようと
しているのか、その姿勢の現れと考えれば、
今回の事件は化けの皮がはがれてしまったということ
でしょう。

各ホテルの支配人さん(確か女性が多い)が一生懸命
考えて行動しているだけに、残念でなりません。

法律(今回は具体的には市条例による上乗せ)が
大事なのですが、やはり、なぜそのような
整備をしなければならないのか、という部分が置き去り
にされているような気がしてなりません。
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Sさん、ありがとうございます。

マスコミの報道が感情的なモグラたたきの様相を呈して
いるこの時期に、素晴らしい分析力と感服しました。

アメリカにはADAと言う罰則を伴った法律があるので、
事業者は好むと好まざるとに関わらず、ある基準にそって
“専用”の部屋が用意されています。
その“専用”の部屋の数たるや、ハワイの巨大ホテルに
なると、20~80部屋(障害者専用客室が、です)。

厳しく法律で定められているからです。

日本も遅れて、ハートビル法や条例によって、「専用」の
「特別」の部屋を作ることが定められるようになりました。
(古くからあるホテルは、適用除外なのでしょうか)

これらのホテルは、東横インの社長がホンネで話して
いたとおり、「ほとんど使われていない」ので、

私達も添乗員部屋としてあてがわれたり、
社員の出張部屋になっていたり、
まあ、倉庫にしたりもするのでしょう。(これは知りませんでした)

Sさんがおっしゃられているように、お迎えする気持ちが
何より大切なのですが、ホテルも商売ですから、
稼働率との戦いになる訳です。

満室の時に、売れない部屋が残るのは、経営上決して
よい事ではありません。

ところが、現在の基準では「特別」な部屋を基準どおりに
作ると「一般客には売れない」事態となってしまいます。

アメリカのように「それが事業を行なうものの責務だ」
と言う考え方もあるでしょう。

しかし、Sさんが言われるように、最低の基準を淡々と
満たしながら、ホテル側の創意工夫で「稼働率と、
お迎えする心」の両立は可能である、と考えます。

“心がこもっていなくてもいいから、部屋があることが大切”
と、おっしゃられる車椅子ユーザーと出逢った事もあります。

心だけでは解決出来ない問題に、たくさん遭遇していらっしゃる
のだと思います。車椅子ユーザーとしての正論です。

最後はハードか、ハートかと言った議論になるのですが、
サービス業である宿泊施設には、「お迎えする気持ち」を
前提とした、その先にあるしっかりとした利益追求が
必要だと考えます。

経営の側のモチベーションとして、
利益との相関関係をはっきりと明示してあげることも大切。

私も経営者の端くれとして、ここを根性論や理想論で飛び越えて
しまわない方が、中長期的にみて、ユニバーサルデザイン的な
宿泊施設が増えると確信しています。

Sさん、コメントありがとうございました。
この社会問題に正面からしっかりとお考えをお持ちくださり、
本当に嬉しい気持ちです。

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コメント

私、北見さんが常々おっしゃられている「お客様が仮に自分の親だったとしたら、兄弟だったとしたら、どのようにしたいと考えるか」に深く共感します。サービス産業に従事する人、いや経営者がこのように考えて、行動の判断をしたら、世のサービスレベルは格段にあがり、バリアフリー対応なんて不要になるでしょう。
ありがとうございます。

投稿: 高萩徳宗 | 2006年2月 1日 (水) 18時50分

高萩さんこんにちは。私の1月30日の日記でコメントを載せています。緊急コラム 10横インの偽装問題

みなさん!10横インが、身障者用?部屋をロッカー替わりにして車椅子スペースの駐車場も点字ブロックも、認可後に撤去。更に、社長の会見姿勢。言葉にならないですね!呆れ返ります!

その社長や10横インの体質は、ビジネスとしての「本音」が行動にでて、ハートビル法の制度に対して堂々と反旗を翻したのですね。
日本の優しい社会づくりが世界の模範になる事に、随分後退しました。
私を含めて、世界の人たちに恥ずかしい限りです。

悲しい事に、マスメディアやテレビでは、特ダネだけに、誇張して身体障害者用駐車場や身体障害者用部屋って、社会的弱者呼ばわりして
障害者団体の方の「コメント」まで、報道されています。

なんか、日本のバリアフリー社会の現実(本音)がそこに有った様な気がします障害者専用ホテル 障害者専用ナイトクラブ 障害者専用海水浴場 ・・・・・
社会全体が「障害者」というキーワードに「次元の違う世界」と認識されているようです。これが「現実」ではないでしょうか・・・・・・・

  安心なバリアフリー社会を築くには、ホリエ門みたいに、急激に成長したら必ず、歪みがきます。今年のキーワード「一人のヒトは一人のヒト・・・」の通り、対話を積み重ねる事でゆっくり着実に「安心なバリアフリー社会」を築いて参りたいと思います。

バリアフリー旅行で、観光関係各社から「どうしたらいいの?」って良く聞かれます。もちろん、基礎を学ぶには、テキストや講演で励むことも
大事ですが、最終的には答えは、すぐそこにありますよ。
「あなた自身にある」と思います。街で困っている人を見かけたら、チェックインで細かい配慮が必要と感じた時、その方があなたの父親母親だったら、答えは出ると思います。そうです。「あなた自身です」

障害の種類は世界人口65億人の種類あります。
(みんな何かしらの障害があります)
答えは「お客様のお声とあなた自身」にあると思いますね。
以上、つたない話しですが、コメントさせて頂きました。共々に着実に頑張りましょう。

投稿: 北見 貴志 | 2006年2月 1日 (水) 11時41分

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